【新日本プロレス】オメガ、プロレス界の“トランプ”に!「この団体の本当のリーダーはオレ」

高木裕美

日本のファンは“洗脳”されている

LIJで勢いが増す内藤を撃破し、G1決勝へ。戦前の予想を覆す勝利となった 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――8.13両国国技館大会でのG1公式戦最終戦では、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)の内藤哲也選手に勝利し、決勝進出を決めました。事前のファン、マスコミの予想としては、勢いとファンの支持のある内藤選手が優勝するんじゃないかという意見が多かったようですが、プレッシャーや対抗意識などは無かったですか。

 会社としては、今一番プッシュしているユニットのリーダーと、BULLET CLUBのボスの対戦、あまり試合を組みたくないと思っていただろうね。日本のファンは、カードだけ見たら、内藤が勝つと思っただろう。なぜかって? ポスターでも内藤の写真の方が大きい。みんな、試合後に『デ・ハポン!』って言いたい。でも、それは日本の意見だけ。それは“洗脳”されてるからだ。しかし、世界のファンなら、どっちが強いか、どっちがうまいか、ちゃんと分かってる。今年、新日本で興行を行った台湾、ニュージーランド、シンガポールでは、誰の試合が一番盛り上がったと思う?

――オメガ選手ですか?

 イエス! 他とは比べものにならないぐらい差があったよ。もちろん、会社は絶対、そういうことを言わないけどね。日本でも、いい試合をしてあげたら、“洗脳”が解けてくるだろう。内藤との試合でも、戦っているうちに、会場の客はどっちが強いのか分かってきた。その証拠に、この試合をきっかけに、LIJのファンがBULLET CLUBに大勢来た。

――内藤選手、そしてLIJの勢いについてはどう思っていますか?

 いいユニット。別に悪くないけど、一番では無いね。今の新日本の中にはいろいろなテイストがある。BULLET CLUBはガイジンテイスト、国際的。本隊とCHAOSはストロングスタイル、クラシック・ジャパニーズ・レスリング。LIJはルチャ。それらがひとつの会社の中にあるのはいいことだと思うよ。

ベルトを獲って世界発信していきたい

外国人選手としては初となるG1制覇。試合後は、自ら「レジェンドになった」と語った 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――翌日の8.14両国でのG1優勝決定戦では、後藤選手に勝って、G1の25年間の歴史で、初めて外国人選手が頂点に立ちました。試合後のインタビューでは『自分はレジェンドになった』と話していましたが、やはりこの「史上初」の記録という部分は大きい?

 大きいね。本当は優勝すると思わなかった。それがどれだけ偉大なことなのかは、1週間ぐらいしてから、ようやくその重みが浮かんできた。『すごいことじゃないですか、ケニーさん』ってね。自分としては、ずっとICベルトを持ち続けて、それでドームでも試合をすると思っていた。IC王座防衛がプランA。G1優勝はプランBだった。会社が自分のことを好きじゃないから、プランAが失敗してからは優勝するしかないと思っていた。

――G1初出場初優勝も史上3人目の快挙です。何か事前に作戦などを練った部分はありましたか?

 始まる前に作戦は考えたけど、最初に失敗した。スタミナをセーブするために、全部出さないようにしていたらYOSHI-HASHIに負けてしまった。自分も失敗したし、YOSHI-HASHIも新技のカルマを出してきたりと、想定外だったね。

――G1優勝後のマイクアピールでは、日本語解禁という場面もありました。2008年に初来日したDDT時代からキャラクターは大きく変わりましたが、基盤として変わらない部分はありますか?

 DDTではいろいろな部分を求められオールラウンドプレイヤーである必要があった。それが無ければ、ここまで来られなかった。その経験が今に結びついていると思うよ。

――来年の1.4東京ドームでは、試合順についてメインから変更となる可能性もありますが?

 メインにならなくてもいい。ベルトの価値は変わらない。団体の中の、一番大切にしているベルトであることは変えられない。でも、新日本が試合のポジションを変えたいのなら、ご自由にどうぞ(苦笑)。IWGPを持っている人間が、団体の一番強い人。IWGPは会社の一番大事なベルト、団体の顔だ。

――ドームでも、ラダーマッチのような特別なルールで戦う可能性はありますか?

 ドームでは普通に、クラシカルに勝ちたい。もちろん、世界のファンには喜んでほしいけど、自分がベルトを獲ったら、会社は文句言えないだろう? 「黙れ、クソ野郎!」ってね。チャンピオンになったら、自分がやりたいことを信じてやらせてもらう。ベストバウトは今年やったから、来年は世界で勝負したい。日本だけじゃなくて、ベルトを持ったら、もっと世界に注目される存在になるだろう。来年は世界の会場でやりたいし、その場所にふさわしい試合をやりたい。アメリカでラダーマッチとかね。日本がベーシックな試合を望むなら、日本では普通の試合でもいいし。ベルトを獲って、世界発信することで、プロレスのビジネスを変えたいね。

タイガーマスクWは「試合をしたいなら新日本の選手になれ!」

米大統領選挙に勝利したトランプ氏のように、“ヒール”がトップを取る時代になるか!? 【スポーツナビ】

――ドームでは、10.10両国大会にも登場した「タイガーマスクW」という謎の覆面レスラーも出るようですが?

 ああ(笑)、彼は普通の試合ではなく、ダークマッチだろう? その正体は分からないが、きっと、新日本には所属していない、DDTとかWWEとか、どんな団体でも戦える立場なんだろうね。もし、オレと試合をしたいのなら、新日本の選手になれって伝えておいてくれ。

――ちなみに、先日、アメリカでは、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏を破り、大統領選挙で勝利するという大番狂わせがありました。これには、アメリカ国民の「現状を打破したい」という強い思いが原動力にあったと聞いています。新日本も、オカダ、棚橋体制からの変革を求め、ヒールが勝利する時代がやってきたのではないでしょうか?

 そうなるかもしれないね。オレが日本プロレス界のトランプになるかも。みんな、トランプは最初から勝てないと思ってたし、メディアでも『そっちを見ないでヒラリーを見ろ』って言ってただろ。でも、誰が勝った? トランプだ。だから、同じかもしれない。マニアックなファンはガッカリしたり、怒るかもしれないけど、この団体の本当のリーダーはこのオレ様。ビジネスに一番いい選手は、新日本が選んだ選手ではなく、このオレだ。それを東京ドームで証明してやる。

――ちなみに、ケニー選手がアメリカ人だったら、トランプ氏に投票していましたか?

 ノー(笑)。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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